看護師の転職は病院と診療所のどちらが有利か?
転職先を探すと、××病院、□□医院、△△診療所、〇〇クリニック、と様々な名前が付いています。
病院、医院、診療所、クリニックはどのように違うのでしょうか?
看護師の転職で有利なのは病院と診療所のどちらなのでしょうか?
医療法では病院と診療所
医療機関の名称は、医療法という法律で決められています。
医療法では、医療を提供する施設を医療提供施設と規定し、下記の4つの施設としています。
- 病院
- 診療所
- 介護老人保健施設
- 調剤を実施する薬局
さらに、
医療法では、医療サービス(医業・歯科医業)を行う医療機関として、
- 病院
- 診療所
だけと規定しています。
病院と診療所の違い
医療法では、病院と診療所を明確に規定しています。
- 病院 : 医師・歯科医師が、公衆・特定多数人のため医業・歯科医業を行う場所で、
20人以上の患者を入院させるための施設を有するもの(1条の5第1項) - 診療所 : 医師・歯科医師が、公衆・特定多数人のため医業・歯科医業を行う場所で、
病院以外(1条の5第2項)
と定めているのです。
入院病床数
- 病院 : 20床以上
- 診療所 : 無床または19床未満
ということですが、
さらに、
医師数など
- 病院 : 医師、看護師、薬剤師などの最低配置人数に規制あり
- 診療所 : 医師1名のほかに人数の規制はない
設置場所(建築基準法)
- 病院 : 第一種及び第二種低層住居専用地域、工業地域、工業専用地域に設置不可
- 診療所 : 条例等で特別の定めがない限り、用途地域の別に関わらず設置が可能
と、
医療法により病院と診療所には様々な規定があり、勝手に病院と看板に書いてはいけないのです。
一方、
医療法では医療機関の施設に付けられる呼称(屋号)については特に規制していませんから、「診療所」や「医院」、「クリニック」などの使用も可能なのです。
いずれにしても、医療法では病院と診療所しかないわけですから、病院以外の名称のついた〇〇医院、△△クリニックは、全て診療所だということです。
ちなみに、診療所は英語ではclinic(クリニック)で、医院はdoctor’s officeともいいます。
つまり、
クリニックと医院は、「診療所」を別の言い方で表しただけで、
クリニック = 医院 = 診療所
ということです。
なお、必要なスタッフについては、
病院では、
3人以上の医師が必要で、患者3名に対して看護師1名が必要で、薬剤師の1名も最低条件として定められています。
しかし、診療所では1名の医師が必要と定められていだけで、看護師や薬剤師の人数は定められていません。
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転職では病院と診療所のどちらが有利か
これは非常に難しい質問です。
また、診療所でも大きく違います。
入院施設のある診療所とない診療所
診療所の規定では診療所とは、入院病床が20床以下の医療施設です。
しかし、入院施設のある診療所と全くない診療所があります。
入院施設のない診療所では夜勤や準夜勤は全くありませんから、子供が小さい、家庭の事情で夜勤はできないというような方には非常に有利な勤務先になります。
スタッフ数の多い診療所と少ない診療所
医療法における人員の規定は、1名以上の医師だけで、看護師や薬剤師などの人数の規定はありません。
極端な話、医者が1名だけいれば良いのです。
しかし、これでは円滑な医療業務はできませんから、1名の医師に対して、1~2名の看護師がいるのが普通でしょう、、、。
人数が少ないということは、
- アットホームな感じ
- のんびりとしている
- 融通が利きやすい
- 夜勤がない場合が多い
という利点はあるのですが、
逆に見れば、
- 人間関係が悪くなっても逃げ場がない
- 何でもこなさなければならない
- 休みなどが取りにくい
- 刺激が少ない
- 夜勤がないので給料が少ない
などのデメリットになってしまいます。
専門科のクリニックが増えている
〇〇内科クリニック、△△皮膚科クリニック、など、単科のクリニックか、せいぜい、内科+小児科など少数の診療科しかないのが通常です。
しかし、最近は、
- 透析クリニック
- 美容外科クリニック
など、単科の専門性の高いクリニックが増えています。
中でも、最近看護師さんの転職先として人気があるのが、美容外科や美容皮膚科クリニックです。
これらのクリニックでは、手術や夜勤はありませんし、外科や内科のクリニックのように消毒薬の臭いなどもせず、サロンのような雰囲気のクリニックです。
しかし、看護師としてのスキルアップや幅広く専門技術を身につけることが出来ませんのでので充分考慮する必要があるでしょう。
看護師の転職先として、病院と診療所のどちらが良いかは一概に言えません。
貴女がどのような仕事をしたいかが一番重要なのです。
転職先を斡旋する会社はたくさんありますから、充分に内容を確認して選択することです。
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