看護師の夜勤回数は何回まで良いのか?

病棟で働く看護師なら基本的に夜勤は避けられません。

勤務形態の2交代や3交代によって夜勤の勤務時間や回数に差があるものの、

病棟で働く看護師の仕事では夜勤はほぼ不可避でしょう。

先日、

看護師としてICUで働いています。

3交代で夜勤が月に14回以上もあるのがあたりまえで、

準夜勤の後の休みや夜勤の後も夜勤となります。

これは、労働基準に違反していないのでしょうか?

というような質問がありました。

看護師の勤務時間については労働基準法で定められていますが、

看護職の夜勤については、

2-8判定

が唯一の法的見解のようです。

2016年の診療報酬の改定で「72時間ルール」も見直されたのですが、

最近の調査では、

北海道の看護師は夜勤が多い

など、医療機関や地域などで大きなバラツキがあるようです。

看護師の夜勤について法的な規制はどうなっているのでしょうか?

 

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看護師の超過勤務や夜勤と労働基準法

結論からいえば、

夜勤回数が多いといって労働基準法の違反にはならない

ということかと思います。

 

看護師の勤務に関する労働条件などは、労働基準法で定められていますが、

 

労働基準法の原則は : 1日の労働時間は8時間以内

というものです。

 

労働基準法第32条では、休憩時間を除いて1日8時間、1週間40時間を労働時間と定めています。

これを超えて労働させるには労働基準法36条に基づく労使協定(いわゆる36協定:さぶろく協定)を締結する必要があります。

36協定では、時間外勤務の限度時間を最大で、1週間15時間、1ヵ月45時間、1年間360時間としているのです。

 

この基準で考えると、

2交代制の場合の夜勤では連続16時間の勤務になりますが、労働基準法に違反していることになってしまうのですが、

 

労働基準法では「変形労働時間制」が認められており、
「労働時間が週40時間以内であれば、1日8時間を超えても良い」ことになっており、

 

夜勤による連続16時間の勤務は労働基準法には違反しないのです。

 

休憩時間についは、

・労働時間が6時間を超える場合は45分

・労働時間が8時間を超える場合は1時間の休憩

が義務付けられており、

 

勤務時間が8時間以上になっても1時間の休憩があれば法律上は問題ありません。

 

日本看護協会では、夜勤による16時間などの長時間勤務の場合には2~3時間の休憩時間の付与が望まれる

との見解を示しています。

 

すなわち、

2交代制の夜勤でも、1時間の休憩があれば労働基準法を違反していることにはならないのです。

 

さらに36協定が締結されていれば、

  • 1週間で15時間まで
  • 1ヵ月で45時間まで
  • 1年間で360時間まで

の時間外労働が認められるのです。

 


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看護師の夜勤回数に法的規制はない?

労働基準法では、

看護師の夜勤回数については言及されていません。

 

看護師の夜勤回数については、

1965年に人事院が出した2-8判定(ニッパチ判定)

が唯一のものかと思われます。

 

2-8判定とは、人事院が下した「行政措置要求に対する判定」のことで、

看護職の夜勤は8時間3交代勤務において、2名、月8回以内を基本とする

という判定を下し、

  • 一人夜勤の禁止
  • 夜勤は月8回以内

との見解を示したのです。

 

2-8判定は、今から53年も前のものでそれ以降は看護師の夜勤についての法的な見解は見られません。

 

その他では、

2016年の診療報酬の改定に伴って、

看護師勤務の「72時間ルール」も変更されました。

詳しく読む ⇒ 月平均夜勤時間72時間要件

 

そもそも、72時間ルールとは、

「全看護師の合計夜勤時間」を、「夜勤に就く看護師の数」で割った数字が72時間以内でなければならない

「全看護師の合計夜勤時間」÷「夜勤に就く看護師の数」< 72

とするものですが、

 

従来は、

夜勤勤務が月16時間以下の看護師は「夜勤に就く看護師の数」に含むことができなかったのですが、

2016年の改定では、

「16時間以下の者は含まない」→「8時間未満の者は含まない」

と変更されたのです。

 

この変更により、

「夜勤に就く看護師の数」が増えることから分母が大きくなり、

「全看護師の合計夜勤時間」が減るように思われるのですが、

「夜勤に就く看護師の数」が少ない病院では夜勤回数が増えてしまう可能性もあるのです。

 

さらに、

72時間ルールは病棟単位で計算するので、看護師の夜勤時間が72時間を超えていても、病棟単位で72時間以内であれば問題はないのです。

このことは、長時間夜勤のできる特定の看護師の夜勤時間ばかりが増える可能性があるのです。

 


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72時間ルールの改定で夜勤は改善されたか?

日本看護協会では、

月72時間の夜勤は具体的に、

  • 3交代制の場合 : 1ヵ月の夜勤回数は9回
  • 2交代制の場合 : 1ヵ月の夜勤回数は4.5回

に相当すると説明しています。

 

しかし、2016年10月に行われた看護師の勤務状態に関する実態調査では、

34%の看護職員が夜勤の基準を超えている

ことが明らかになっており、

 

72時間ルールの変更後にも夜勤時間は増加傾向にあるといわれています。

 

日本看護協会は、

夜勤・交代制勤務に関するガイドライン

を策定し、

  • 現在の夜勤や交代制勤務の課題
  • 負担を軽減するための組織や個人における対策の提案
  • 夜勤や交代制勤務に関連する規定や法令

などについてまとめ、

 

基準3 夜勤回数は、3交代で月8回以内を基本とする

基準4 夜勤の連続回数は2連続までとする

基準7 夜勤の途中で連続した仮眠時間を設定する

基準8 夜勤後には24時間以上、2連続では48時間以上の休憩を確保する

などの、

<夜勤・交代制勤務の「勤務編成の基準」11項目>

を挙げているのですが、まだ守られていないのが現状のようです。

 

 

詳しく読む ⇒ 夜勤・交代制勤務に関するガイドライン

 

しかし、、、

夜勤時間の長い病院では離職率が高い

ということも判明しており、

 

 

詳しく読む ⇒ 夜勤時間が長い病院では看護師の離職率が高い

 

看護師の不足も相まって医療機関では看護師の夜勤勤務の見直しも進むと思われます。

 

しかし、

看護師の夜勤は糖尿病のリスクを高める

看護師の夜勤では心疾患や肺がんのリスクが上がる

などの疫学調査も明らかになっており、

 

あまりにも過度な夜勤が続くようであれば、

勤務する医療機関の見直しも必要なのかもしれません。

 

看護師の夜勤について法的な規制については複雑であり専門家でも解釈が難しいものです。
もし間違っている箇所などがありましたらご指摘いただければ幸いです。

 

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