特定看護師と認定看護師は全く違います

特定看護師と認定看護師は全く違うものです。

 

はじめに

特定看護師になるための特定行為研修が短縮されることが決まるなど、特定看護師制度お見直しがおこなわれています。

一方、日本看護協会は認定看護師の制度の見直しをおこなっています。

 

先日、読者の方から、

「特定看護師と認定看護師は違うものですか?」

との質問がありました。

 

今日は「特定看護師」と「認定看護師」についてご説明しましょう。

 

Sponsored Link

 

特定看護師と認定看護師は全く違う

結論からいいますと、

特定看護師と認定看護師は全く違うものです。

 

特定看護師は厚生労働省の制度

 

特定看護師は厚生労働省の決めた制度です。

詳しく見る ⇒ 特定行為に係る看護師の研修制度

 

しかし、

法律上には「特定看護師」という資格はなく、

 

正しくは、

特定行為研修を修了した看護師」が、

「特定看護師」あるいは「特定ケア看護師」と呼ばれているのです。

 

 

特定看護師は、2015年10月に厚生労働省が開始した制度で、

特定行為研修を修了した特定看護師は、

医師がいない条件でも、

  • 気管カニューレの交換
  • インスリンの投与量調整

など、38の特定の医療行為ができるのです。

 

詳しく見る ⇒ 特定行為研修を受講して特定看護師になる

 

厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上に達する2025年に向けて、

在宅医療等の推進を図っていくためには、

 

「個別に熟練した看護師のみでは充分でない」として、

  • 医師や歯科医師が不在でも
  • 手順書にそって特定の医療行為ができる

看護師を養成する目的で始めた制度なのです。

 

21に区分された特定行為区分は、特定行為の区分であり、次の21区分

 

 

厚生労働省は、在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成する目的で、

2025年までに特定看護師数を10万人以上にするとしています。

 

2014年衛生行政報告例(就業医療関係者)」によれば就業看護師は108万6779人ですから、

看護師の約10人に1人を特定看護師となる計画です。

 

残念ながら、2018年9月時点での特定看護師は1,206人しかいないことから、

厚生労働省は、

働きながらでも特定看護師になれるように研修制度を見直し、特定行為研修の短縮化を図っています。

 


Sponsored Link

 

特定看護師は日本看護協会の制度

認定看護は、日本看護協会が制定した制度です。

 

1996年、日本看護協会は、

熟練した技術と知識を有し質の高い看護実践ができる看護師の育成

を目指して制定した制定で、

 

日本看護協会の「認定看護師認定審査」に合格すると、

認定された看護分野において、

  1. 実践:熟練した看護技術で水準の高い看護を実践する
  2. 指導:看護実践を通して看護職に対し指導を行う
  3. 相談:看護職に対しコンサルテーションを行う

の3つの役割を果たすことができる、熟練した看護技術と知識を有する者として認定認定されます。

 

詳しく読む ⇒ 日本看護協会の認定看護師制度

 

認定看護師になるには、

  1. 日本国の看護師免許をもっている
  2. 看護師の実務経験が5年以上あり、3年以上は認定看護分野で実務をおこなっている
  3. 認定看護師の教育機関で6ヵ月615時間以上の研修を終えている
  4. 認定審査に合格

という実務経験や認定審査試験に合格する必要がありますが、

 

2017 年 の「第 25 回認定看護師認定審査」までに、認定看護師数は 18,728 人に達しています。

 

認定看護師2

 


Sponsored Link

 

認定看護師研修は休講中

 

日本看護協会は認定看護師制度は創設以来20年を経過したことから、

医療や保健福祉の変化に応じた見直しが必要

だとして認定看護師制度の見直しをおこなっています。

 

詳しく見る ⇒ 認定看護師制度はどう変わるのか?

 

大きな変更点は、

  1. 特定行為研修が加えられる
  2. 認定看護分野を再編成する

という2点ですが、

 

日本看護協会は、

2017年度から3年間は、本会が実施する認定看護師教育を休講し、認定看護師を対象とした特定行為研修を集中的に行います。

として、認定看護師研修を休講しています。

 

新たな認定看護師制度については、

5月下旬に東京と大阪で説明会が開催されます。

 

詳しく見る ⇒ 新たな認定看護師制度に関する説明会

 

まとめ

特定看護師と認定看護師は全く異なるものです。

 

特定看護師という資格はありませんが、

特定医療研修を受けた特定看護師は医師が不在でも特定の医療行為ができるようになります。

 

認定看護師は日本看護協会が創設した認定制度で、

認定看護師は熟練した看護技術と知識を有する者として認定された看護師です。

 

特定看護師と認定看護師のどちらになった方が良いのか、、

一概には言えませんが、

 

日本看護協会は認定看護師の認定資格として「特定医療研修」を組み入れるようですから、

どちらかに挑戦するのであれば特定看護師の方を優先すべきのようです。

 

 

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ