北海道では看護師が多いが看護師不足

日本医療労働組合連合会は、1988年から5年に1回「看護職員の労働実態調査」を実施している。

2017年の最新調査の結果によれば、

前回にも増して人手不足がすすみ、年次有給休暇の取得率の低下、夜勤や交替制勤務による過労や疲弊などの実態が深刻化しているといいます。

 

厚生労働省によれば、看護師、准看護師、保健師、助産師を含む就業している看護職員数は平成28年12月時点で約166万人であり、

毎年3万人程度増加しているものの、

平成37年に必要とされる196万人~206万人には及ばず、

この割合で増加を続けても平成37年には3万人~13万人が不足すると みられているのです。

 

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医師不足よりも護師不足が深刻

看護師は全国的に不足しているのですが、地域的にバラツキがあります。

 

医療ガバナンス研究所の上昌広所長は、

病院は東京から破綻する

の著書の中で、

 

東京を中心とした首都圏には多数の医学部があるにもかかわらず医師不足が続いているが、

医師不足よりも看護師不足のほうが深刻な問題

だと述べています。

 

 

東京では医師不足に加えて看護師も不足しており、

一部の病床を閉鎖する医療機関も出ているというのです。

 

2007年7月に産科病棟を閉鎖した東京都保健医療公社・荏原病院では、

必要な看護体制は定数316人。

しかし、58人が欠員して病棟閉鎖に至っているのです。

 

さらに、

千葉県では2014年6月現在、59の医療施設で2,517床が稼働しておらず、

この内の38病院は「看護師不足」がその理由だと言います。

 


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北海道では看護師は多いが看護師不足

日本では看護師不足が深刻になっていますが、

看護師不足は全国一律ではないのです。

 

看護師不足は極端な西高東低になっているそうです。

東京都の人口10万人あたりの就業看護師数は727人、

埼玉県は569人、

千葉県 625人、

神奈川県 672人、

茨城県 674人、

愛知県 725人に次いで少ないのです。

 

看護師人口

 

各都道府県の看護師数

日本看護協会出版会による平成25年看護関係統計資料集では、

北海道の就労している看護師数(準看を含む)は71,109人と全国で第3位です。

 

そして、

北海道の人口10万に対する看護師数は1,284.7人と、

全国平均の1030.2人を上回り、順位は13位でした。

 

最も多い高知県では1,663.0人でした。

最も少ないのが691.9人の埼玉県でした。

 

東京都では看護師総数は106,911人と全国で最も多かったのですが、

人口10万人当たりの看護師数は832.8人と45位なのです。

 

ちなみに、

46位は千葉県

47位は神奈川県

 

最下位は埼玉県と、人口密集地域では看護師数が少ないのです。

 

順位 人口10万対比 准+護師数
1 高知県 1,663.0 12,855
15 北海道 1,284.7 71,109
45 東京都 832.8 106,911
48 埼玉県 691.9 61,854
全国平均 1030.2人

 

北海道では病院あたりの看護師が少ない

人口10万当たりの看護師数が多いということは、

地域住民にとっては良い、といえるでしょう。

 

さて、

北海道の看護師数は、全国で3番目と多いのですが、

病院数も東京に次いで全国第2位と多いのです。

 

1医療施設あたりの看護師数を比較して見ると、全国40番目と、

少ない方から6番目になってしまうのです。

 

都道府県 病院数 看護師数 割合
全国 8,670 1,320,871 152.3
北海道 584 72,298 123.8
東京 647 102,855 159

 

医療施設当たりの看護師数が少ないということは、

看護師が忙しいということになるのです、、、

 


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北海道の看護師は労働条件が厳しい

北海道では、

看護師数が多い

しかし、

病院数が多い

ことから、

病院あたりの看護師が少ない

のです。

 

病院あたりの看護師が少ないということは北海道の看護師は忙しいということにナルのです。

 

北海道の看護師は夜勤が多いの記事でも書きましたが、

 

北海道医療労働組合連合会の調査により、

北海道の看護師は夜勤が多い

ということが明らかになっています。

 

詳しく読む ⇒ 北海道の看護師は夜勤が多い

 

東京近郊では看護師不足が深刻化しており、団塊世代の高齢化によって医療ニーズは急速に高まります。

看護師の確保をめぐって東京近郊の医療施設ではさらに熾烈な競争になるでしょう。

 

一方、

看護師数は多いものの医療施設数も多い北海道でも看護師不足が深刻化しているのです。

看護師が不足は医療事故にもつながりかねないのですが、

看護師の就業状態の悪化はもっと深刻なのです。

 

看護師の夜勤では心臓病やがんのリスクが高い

ということや、

看護師の夜勤は糖尿病のリスクを高める

 

などが明らかになっており、自分の体を壊してしまったら元も子もありません。

 

看護師としての就業先、転職先を探すときには、就業条件を十分検討して下さい。

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