准看護師のメリットとデメリット
看護師の資格には、
- 准看護師
- 看護師
の2つが有ります。
最近、看護教育の延長などが話題になり、
准看護師は無くなるのではないか
と心配している方もおられるでしょうが、そんなことはありません。
准看護師は2014年現在、34万人が就労しており、看護職の2割を占めているのです。
准看護師は最短2年で准看護師の資格を取ることができるのです。
准看護師から看護師へのスキルアップも、必要勤務年限が短縮されるなど、有利になってきました。
種々な条件で看護師への道を諦めている方には、准看護師から看護師への道があるのです。
准看護師と看護師の違い
看護師には、准看護師と看護師(正看護師)の2種類があります。
准護師も看護師も、それぞれの養成機関で看護教育を受け、てそれぞれの試験に合格する必要がありますが、准看護師と看護師では免許を発行しているところが異なります。
- 准看護師 : 都道府県知事が実施する准看護師資試験 → 都道府県知事が准看護師資格を発行
- 看護師 : 看護師資格取得のための国家試験 → 厚生労働大臣が看護師資格を発行
このように、准看護師と看護師とでは、それぞれの資格を発行するところが異なるのです。
また、准看護師は都道府県が発行する資格ですが、看護師は国が発行する資格です。
准看護師と看護師の業務の違い
看護法では、
「准看護師は、看護師の指示に従って業務を行うこと」と定められています。
厳密に言えば、看護師は医師の指導のもとに医療行為や看護行為を行い、主体的な判断で患者の看護にあたることが可能なのですが、 准看護師では医師と看護師の指導のもとで看護業務を行うこととされているのです。
しかし、
看護師不足が日々深刻化している、医療現場では、准看護師と看護師は同じの業務をこなしているのが現状のようです。
つまり、「准看護師だから」、「看護師だから」と仕事を分け隔てしている余裕はなく、看護業務上の仕事の差はないようです。
准看護師から正看護師になることも可能ですが、
准看護師のメリット
准看護師になるメリットは、
- 正看護師を目指すよりも試験が簡単
- 最短で2年で資格が取れる
- 高校に衛生看護科がある
ということです。
准看護師になるためには、
- 中学校卒業後に准看護師養成所で2年間の勉学
- 中学校卒業後高等学校衛生看護科で3年(定時制4年)の勉学
- 高校卒業後に准看護師養成所で2年間の勉学
したあとに、各都道府県知事が行う准看護師試験に合格すれば准看護師の資格がもらえるのです。
看護師になるためには、
- 中学卒業後5年
- 高校卒業後2年~4年
の勉学が必要なのです。
いろいろと、家庭の事情や経済的事情で進学できないものの、看護の仕事をしたいときや、できるだけ早く給料を得たいときには准看護師に進む方がベストです。
さらに、准看護師養成所では、社会人の入学を歓迎していますので、医療機関あるいは一般の会社で働きながら、准看護師養成所へ通うことも出来ます。
また、経済的事情が有るときには、
いろいろな奨学制度も整っており、
- 都道府県・区市町村の看護師等就学資金
- 独立行政法人・日本学生支援機構の奨学金
- 看護専門学校の設置主体による就学資金
など、貸与額、貸与条件、返済方法はさまざまで、准看護師養成所によって取り扱っている奨学金も異なるので、詳細は進学する各養成所の窓口で相談する方が良いでしょう。
准看護師の勤務先
勤務先は原則、看護師と同じですが、准看護師と看護師では若干、求人先に違いがあります。
後で述べますが、准看護師は看護師に比べてやや給料が下がります。
そこで、個人経営である診療所(医院)やクリニックでは人件費が抑えられることから、准看護師の雇用を希望するところが多いのです。
なお、診療所とクリニックは呼び名が違うだけで、入院用のベッドがないか、19床以下の医療機関のことで、病床が20床以上の医療機関が病院と呼ばれます。
また、病院では、医師3名以上、看護師(准看護師)1名以上、薬剤師1名以上、など医療関係者の必要条件があります。
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准看護師のデメリット
准看護師のデメリットは、
- 給料
- 昇進
- 勤務先
の3つです。
一般企業でも、高卒と大卒では初任給が異なるように、准看護師と看護師とでは給料の差があります。
准看護師と看護師の看護教育時間の差は約1,000時間で、高卒、大卒ほどの教育時間の差は無いのですが、
- 准看護師の平均年収は約400万円
- 看護師の平均年収は、約450万円
と、年間で50万円程度の差があるのです。
昇進においても准看護師と看護師では差が出てきます。
看護の経験を積めば、看護主任など管理職に就く人も出てきます。
准看護師では管理職になれないわけではありませんが、看護師と准看護師がいればどうしても看護師が優先されることが多いでしょう。
准看護師と看護師の実際の業務は同じようなことをしているのに、、給料が少ない、昇進できない、、と思うようになったら、看護師の資格に挑戦すれば良いのです。
准看護師から看護師にスキルアップする人はたくさんいるのです。
准看護師は看護師に比べて勤務先がやや限定されます。
上の、「准看護師の勤務先」の項では、准看護師は給料がやや安いので、個人経営の診療所やクリニックの求人が多いと書きましたが、大病院に勤務できないわけではありません。
大病院でも准看護師を採用しますが、准看護師は看護師と同じ仕事をしても、法規上では看護基準を満たせないため、診療報酬が下がることから、准看護しを採用したがらない病院が多いのです。
大学病院、国公立の大病院で働きたいという希望があるのであれば、准看護師の資格ではやや不利になるかも知れません。
准看護師から看護師になる
いろいろな事情で、准看護師になったからといって、看護師になれないわけではありません。
准看護師としてある程度の期間働いたら、看護師の資格を取ることもできるのです。
准看護師から看護師になるのページで詳しく書きましたが、准看護師から看護師になるための必要資格が緩和され、看護師の資格を取りやすくなりました。
准看護師として勤務して給料を得ながら、通信教育で看護師のための勉強をして、国家試験に合格すれば晴れて看護師になれるのです。
詳しく見る ⇒ 准看護師から看護師になる
准看護師として働きながら看護師を目指すのであれば、
通信制で2年間の就学
が一番有利でしょう。
その条件として、
10年間の実務経験
が必要でしたが、2018年から7年間に短縮されることが決まり、さらに、5年間に短縮することが検討されているのです。
准看護師は無くならない
2014年現在、准看護師として就労している人は約34万人と、看護職全体の2割超を占めています。
しかし、現実的には、
准看護師を養成する学校や養成所の減少、カリキュラムの見直しや補助金の減額などによって、准看護師の受験者や合格者も減少しており、准看護師を新たに養成すべきではないという論も有ることは事実です。
しかし、
政府は国は、2025年に約200万人の看護職が必要になると試算しており、今後毎年3万人ずつ看護師数を増やしたとしても、2025年には約7万人の看護師が不足する見通しなのです。
准看護師の養成を止めれば、看護人材の不足は更に深刻なことになり、准看護師の養成を止めることは現実的ではないのです。
日本准看護師連絡協議会(准看協)では、
准看護師と看護師の勤務先によるすみ分けを明確にし、
- 大規模な病院や大学病院では看護師が、、
- 中小病院や診療所、介護施設では准看護師が、、
という「機能分化」を推進すべきだとしています。
日本准看護師連絡協議会このすみ分けがもっと明確になれば、限られた人材でも将来の看護ニーズに対応できるのではないかとしているのです。
看護職を希望する全ての人が、3年課程、ましてや4年制の大学へ進めるわけではありません。
准看護師の養成課程は看護師よりも短く、
また、看護助手や医療事務などで働きながら資格取得を望む人にも有用なのです。
さらに、准看護師から看護師へのスキルアップも条件が緩和されることが決まりました。
看護職で働く希望を持っている人は准看護師の資格も一度検討してみてください。
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