認定看護師の制度が変わる

日本看護協会は、

認定看護師制度を開始して以来20年を経過した

ことから、

医療や保健福祉の変化に応じた見直しが必要だ

として、認定看護師制度の見直しを検討していることをお伝えしました。

 

認定看護師制度はどう変わるのか?

非常に興味深いところです。

 

日本看護協会は、

認定看護師制度の再構築についてのパブリックコメントを求める

として、

「認定看護師制度再構築に関する制度設計(案)」を明らかにしました。

 

  • 認定審査は2019年度から開始する
  • 認定看護師教育は2020年度から開始する

としているのですが、

認定看護師制度はどのように変わるのでしょうか?。

そして一番気掛かりなのは、

現在の認定看護師はどうなるのか?

ということです。

 

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認定看護師の制度はどのように変わるのか

認定看護師の制度は具体的に、何が、どのように変わるのでしょうか?

2018年6月12日の日本看護協会の通常総会や13日の交流集会ある程度の説明をしています。

 

そして先日、

認定看護師制度の再構築に関ついてパブリックコメントを求めるとして、

認定看護師制度再構築に関する制度設計(案)

を明らかにしています。

 

詳しく見る ⇒ 認定看護師制度の再構築へのパブリックコメント

 

制度設計(案)を見ると、

 

大きな変更点は、

  1. 特定行為研修が加えられる
  2. 認定看護分野を再編成する

という2点のようです。

 

1)認定看護師の講習に特定行為研修が加えられる

変更点の最大の特徴は、

認定看護師の教育に特定行為研修が組み込まれることです。

 

特定行為研修とは、特定行為研修を受講して特定看護師になるにも書きましたが、

 

特定行為医療研修制度における研修で、

この特定行為研修を受けた看護師は特定看護師として、

医師の指示がなくても特定の医療行為を看護師の判断で行えるという制度なのです。

 

その具体的な医療行為とは、

  • 気管カニューレの交換
  • インスリンの投与量調整

などの38の分野の医療行為ができるのです。

 

詳しく見る ⇒ 特定行為研修を受けて特定看護師になる

 

認定看護師制度は日本看護協会が教育や認定を行っている資格制度ですが、

特定行為研修制度は2015年に厚生労働省が設立した制度なのです。

 

日本看護協会の制度にどうして厚労省の特定行為研修が加えられるのでしょうか?

 

背景には、

特定行為研修制度の推進強化ということがありそうです。

特定行為研修制度は2015年に設立されたのですが、2017年末で734人しか特定看護師になっていないのです。

厚労省は特定行為研修の受講者を増やすための施策を打ち出しているのです。

 

さらに、

在宅医療や在宅看護の拡大もあり、これかはある程度の医療行為のできる看護師が求められているのです。

 


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2)認定看護分野が再編成される

認定看護分野は、認定看護師制度が制定された1995年11月には、

  1. 救急看護
  2. 皮膚・排泄ケア

の2分野のみでしたが、

 

1997年には、集中ケアが、

1998年には、緩和ケア、がん化学療法看護、がん性疼痛看護などが追加され、

2016年1月に21分野に増えたのです。

 

日本看護協会は、

  • 分化された認定看護分野では現在の医療ニーズに対応できない
  • 急性期医療から在宅医療まで広く対応できる認定看護師が求められている
  • 10の認定看護分野では教育機関が1ヵ所のみ
  • 6つの認定看護分野では認定看護師数が500名以下

などから、

認定看護分野の再編成を行うとして各教育機関や関連学会の意見を聴取して纏めたという案を示しています。

 

詳しく見る⇒ 認定看護領域の再編

 

この案においては、

認定看護師が主に活動できる場として、

  1. 急性期医療施設
  2. 医療施設
  3. 生殖医療施設
  4. 急性期医療施設~在宅等
  5. 在宅等

としており、

 

6つの分野については統合して新たな分野名にするとしています。

 

新たな分野名 現在の分野名
 クリティカルケア  救急看護
 集中ケア
 がん緩和ケア  緩和ケア
 がん性疼痛看護
 こどもケア  新生児集中ケア
 小児救急看護

 

さらに、

認定分野については適切に医療ニーズに答えるため原則として5年毎に、

  • 認定看護分野の再編成
  • 教育カリキュラム制度の見直し

を行っていくとしています。

 


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移認定看護師の新制度への移行

移認定看護師の新制度への移行については、

  1. 新しい制度での認定審査は2019年度から開始する
  2. 新たしい認定看護師教育は2020年度から開始する

としています。

経過措置としては、

  1. 現行の教育は2026年度まで実施する
  2. 認定審査は2019年度まで実施する

とし、

 

認定制度の改訂後も資格の名称は「認定看護師」とする

としています。

 

 

一番気掛かりなのは、

現在の認定看護師はどうなるのか?

ということです。

 

そのことについては、

 

現行の認定看護師については、

所定の特定行為研修を修了することにより、

新たな認定看護師へ移行できるものとする。

としていますから、

一安心です。

 

 

新たな認定看護師へ移行するための所定の特定行為研修については、

 

  1. いずれの特定行為研修指定研修機関でも履修できる
  2. 履修すべき科目については引き続き検討する

としており、

  • 履修すべき科目数
  • 履修に必要な時間数

については明らかになっていません。

 

しかし、

新たな認定看護師へ移行しない場合には有効期間の満了をもって資格を失効する

としていますから、

必要な特定行為研修を受けて新たな認定看護師へ移行しなければ

認定看護師になったことが水の泡になってしまいます、、、。

 

認定看護師の制度が見直されるのですが、

その骨子は、

認定看護師を特定看護師とする

ということにあるようです。

特定看護師とは医者の不在でもある程度の医療行為を行うことのできる看護師です。

これは看護師にとって良いことなのでしょうか?

 

 

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