看護師の役職と給料
はじめに
病院の看護師には一般企業と同じように役職があります。
ベテラン看護師なら看護師の役職はもう既にご存じでしょうが、
- 新人看護師
- 診療所からの転職
の看護師では看護師の役職をご存じでないかもしれません。
また、看護師の給料は役職とリンクしており、
基本給も役職手当が上がっていくのです。
看護師の役職や給料についてあまり詳しくない看護師のために、
看護師の役職と給料についてまとめてみました。
看護師の役職
診療所は、
病床が0~19床
ですから、看護師の数もさほど多くはなく、
役職がないところもありますが、
大病院、たとえば、
東京大学附属病院には、
- 病床 : 1,217床
- 看護師 : 1,300人
もの看護師が働いており、
病院長1人が看護師1,300人を統率するのは非常に困難であり、
組織的な看護業務を行うためには、
一般の企業における、部長、課長、係長のような管理職(役職)があるのです。
看護師の一般的な役職は、
役職名 | 年齢 | 企業 |
看護部長 | 50歳前後 | 部長 |
副看護部長 | ||
看護師長 | 40歳前後 | 課長 |
副看護師長 | ||
看護主任 | 30歳前後 | 係長 |
副看護主任 | ||
正看護師 | 20~50歳 | 平社員 |
というような具合です。
病院によってはやや呼称も異なり、
看護部長を総看護師長と呼ぶところもあります。
また、病院の規模によっては、
副看護部長、副師長、副主任を置かないところもあります。
一般的に、スタッフナースとも呼ばれるヒラの看護師が主任になるには10年程度かかるようです。
さらに、その上の役職に昇進するためには年数だけでなく、
看護技術や判断力、そして統率力なども評価されます。
したがって、看護師の経験年数が少なくても、
看護技術や判断力、統率力などが評価されれば昇進するということです。
さらに、
看護主任や副看護師長では認定看護師の資格を、
看護師長や看護部長への昇進では認定看護管理者の資格を持っていることもプラスされるようです。
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看護師の役職と給料のリンク
看護師の給料は経営母体によって異なります。
東京大学附属病院のような、国家公務員になる看護師では国家公務員法によって給料が決まりますし、
〇〇県立病院や△△市立病院のように地方公務員になる看護師ではその都道府県の公務員給与表によって給料が定められています。
日本看護協会は、
2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査
をおこなっています。
この調査は、
- 調査期間 : 2013年2月4日~3月20 日
- 調査施設 : 全国の 8,633 病院
- 個人調査 : 日本看護協会の会員 2,651人
を対象とした大規模調査です。
詳しく見る ⇒ 日本看護協会
この調査結果を元に看護師の役職と給料をまとめてみました。
役職名 | 基本給 | 管理職手当 | 管理当直 | 平均年齢 |
看護部長 | 427,573 | 81,307 | 56.7 | |
副看護部長 | 405,373 | 60,856 | 54.1 | |
看護師長 | 370,949 | 45,439 | 8,632 | 54.0 |
副看護師長 | 350,882 | 26,159 | 7,357 | 51.3 |
看護主任 | 327,143 | 10,000程度 | 7,738 | 50.1 |
副看護主任 | ||||
正看護師 | 323,298 | 50.1 |
調査年月が2013年ですから現在より多少額が少ないでしょうが、
役職のないスタッフナースの基本給の平均が323,298円でした。
基本給の他に夜勤手当がつきますが、回数によって異なりますので調査結果にな載っていませんでした。
看護主任になると、基本給が4,000円程度上がりますが、
夜勤の回数が大幅に減り管理当直手当が7,738円(2回/月)ですが、管理当直手当がない医療施設もあるようです。
また、主任手当については調査結果に記載がありませんが概ね10,000円程度のようです。
したがって、
主任看護師ではため、夜勤をバリバリこなしていたスタッフナース時代よりも収入が少なくなることもあるようです。
日本看護協会の調査結果には賞与(ボーナス)の記載がありませんでしたが、
賞与は1,200,000円程度と思われます。
看護職の最高位である看護部長の給料は、
- 基本給 : 427,573円
- 管理職手当 : 81,307円
- 賞与 : 1,200,000円
と、総額は約750万円といったところです。
看護部長は看護師の頂点ともいえる立場で責任は非常に重いのですが、
年収は一般的な他の職種とや同年代と比べればけして高くないのが現状のようです。
しかし、看護師になったからには頂点を目指して頑張ってください。
そのためには、
認定看護師や認定看護管理者などの資格にも計画的に挑戦してください。
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