看護師のキャリアアップで診療情報管理士になる
最近、診療情報管理士が注目を浴びています。
看護師のキャリアアップになるとして診療情報管理士になるかとも増えています。
診療情報管理士になるのは簡単ではありませんが挑戦してみませんか?
診療情報管理士とは
診療情報管理学会は、診療情報管理士を下記の様に定義しています。
診療情報管理士とは、ライブラリーとしての診療録を高い精度で機能させ、そこに含まれるデータや情報を加工、分析、編集し活用することにより医療の安全管理、質の向上および病院の経営管理に寄与する専門職業です。
「ライブラリーとしての診療録を高い精度で機能させ」と難しい言葉で書かれていますが、
医師が病院で患者に行った医療行為を記録した診療録(カルテ)、検査記録、X線写真、その他の数多くの診察に関わった記録など、全ての診療情報を、加工、分析、編集して管理し、必要な場合は情報開示などを行うのが診療情報管理士の仕事なのです。
もう少し具体的に言えば、
カルテに記載された内容を判読して、記入モレや記載ミスがないかをチェックし、その後、国際的に共通な区分である国際疾病分類(ICD-10)に従って、疾患や入院日数などの情報を記録するのです。
これらの情報は、医療費支払いの目安、患者へのカルテ開示、病院の診察業務の評価などに役立てられるのです。
アメリカでは、すでに1932年にMedical Health Informationとして発足したのですが、現在はRegistered Health Information Administrator(R.H.I.A、登録医療情報管理士)との名称呼ばれています。
診療情報管理士の必要性が高まっている
- 医師の経験だけに基づかない医療
- 出来高払いから、定額+出来高払いへ
- 第三者からの評価で信頼される医療機関になる
- 診療情報管理を適切に行う医療機関が求められている
などの点から、診療情報管理士の必要性が高まっているのですが、
2000年4月から、診療報酬制度において「診療録管理体制加算」が制度化され、1名以上の診療録管理者の配置が条件となったことや、国際疾病分類であるICDによる疾病の分類も求められるようになったことから、診療情報管理士の存在は必要不可欠になったのです。
診療情報管理士が患者の診療情報を管理することによって、
- 医療の安全管理
- 医療の質の向上
- 医療施設の経営
診療情報管理士の人数は3万人程度しかいません。
そして、
関東、関西には集中していますが、地方では1県に40~50人程度しかいないのです。
診療情報管理士は看護師のキャリアアップに最適な資格です。
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診療情報管理士でキャリアアップするには
診療情報管理士は、看護師資格や助産師資格などのように、国家資格ではなく、
四病院団体協議会である、
- 日本病院会
- 全日本病院協会
- 日本医療法人協会
- 日本精神科病院協会
および、
- 医療研修推進財団
が認定する民間資格で、
日本病院会が毎年2月頃に実施する診療情報管理士認定試験を受験して合格する必要があります。
受験資格は
- 日本病院会が受験認定指定校した大学や専門学校で、必須科目を履修する
- 日本病院会が主催する「診療情報管理士通信教育」を受講する
の2つの方法がありますが、看護師のスキルアップで診療情報管理士になるためには通信教育を受けることが有利です。
診療情報管理士の通信教育
診療情報管理士の認定試験を受けるための通信教育を行っている団体は幾つかありますが、日本病院会で実施している診療情報管理士通信教育がお薦めです。
日本病院会は、診療情報管理士の認定機関の一つでもあり、通信教育の歴史も非常に長いのです。
日本病院会で実施している診療情報管理士通信教育は、
日本病院会で実施している診療情報管理士通信教育は、昭和47年に診療録管理士の養成課程として開講し、平成8年には診療情報管理士と名称を変更し、現在88期を数えています。
日本病院会診療情報管理士教育委員会では、こうした日本の医療の現状と将来の方向をふまえ、医療の高度化や医療業務の複雑化、EBM(根拠に基づいた医療)、医療機能評価、DPC(診断群分類を活用した包括評価)などの環境に相応しい診療情報管理士を育てるべく、独自のカリキュラムと教材で実践的な通信教育事業を実現しています。
詳しく見る ⇒ 日本病院協会の通信教育
診療情報管理士通信教育の、
受講資格
通信教育の教育期間は、基礎課程が1年、専門課程が1年の合計2年間ですが、
- 専門課程への編入資格 : 医師、看護師(准看護師を除く)、薬剤師
看護師資格を持っている貴女は専門課程への編入が可能で、1年間の受講で受験資格を得ることができるのです。
学費
学費は2年間で200,000円(消費税込)ですが、専門課程への編入では半額の100,000円です。
募集期間
募集は年2回で、
- 4月~5月
- 10月~11月
の間に募集していますので、上記の日本病院協会のサイトで確認ください。
診療情報管理士認定試験は難しい
診療情報管理士の認定試験は毎年1回、2月頃に実施されます。
試験科目は、医療概論などの基礎分野、医療管理総論などの専門分野のほか、分類法分野から出題されます。
平成27年2月8日(日)に実施された、平成26年度第8回診療情報管理士認定試験の結果は、
- 受験者数 : 3,777名
- 合格者数 : 1,881名
- 合格率 : 49.8%
と、非常に難関です。
しかし、難関だからこそキャリアアップになるのです。
診療情報管理士の人数は、3万人程度、関東、関西には集中していますが、地方では1県に40~50人程度。
診療情報管理士に挑戦して看護師のキャリアアップをしてみませんか?。
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